県道日南高岡線沿い。住民約20世帯の大戸野地区にある直売所兼食堂。即売所は集落の中心部にあり、周辺で育てられた新鮮な野菜や果物を中心に、手づくりのお菓子や加工品も沢山並んでいます。また「ムラの人たちで何とか運営しよう」と、現在は地区の女性4名が交代で働かれています。元々このあたりでは山仕事を業にする人が多く、女性たちも山に入って仕事をしていました。そこで女性たちが中心になって「昔から大戸野で作られているものを知ってもらおう、販売しよう、自分たちの働く場を作ろう」と昭和60年に建設。当時は日南市内でも先駆け的な存在でした。代表の上村さんによると「ここは棚田もあって、夏は蛍も出る。最近では陶芸家さんなど3軒が移住して来たり、魅力の多い地域。近くにログハウスの建設も予定してて、イベントも随時計画中です。近くにきた時はぜひ寄って欲しい」。イベントがある際には大戸野直売所でも告知されます。

直売所の奥には飲食コーナーもあります。手作りうどん、そばが中心のメニューで、猪肉で出汁をとった『ししうどん』・『ししそば』も食べられます。猪肉はしっかりとした食感ながら、臭みがなく、食べやすい味です。窓の外に広がる空と杉林を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせるところです。
また、ここで毎日作られる『草だんご（3個 270円、6個 530円）』は、きめ細やかで柔らかなよもぎ餅の中に、こしあんが少々。よもぎは毎年4月中旬頃、山に入って摘み集められたもの。他にも焼だんごや竹の皮だんご、笹巻きだんごや小豆巻きようかんなどもあります。『きんかん飴（350円）』（原料は、防腐剤除草剤などを一切使わない減農薬栽培の北郷町谷口さんのハウス金柑）もスタッフの手づくり。小さな金柑を一つ一つ切っては種を取る作業を続け、コトコト煮詰めて作られた一品。根気のいる作業でなかなか自分では作れない、ありがたい一品です。