料理をすることは、食べる人に食材の魅力を伝えるということ。
そのためには料理人が、その食材の魅力を知っていること、その魅力を伝えたいという思いを持つこと、食材を生かす工夫をすること、どれもが欠かせません。
食は旅一番の楽しみです。気持ちをリフレッシュした後に、その土地ならではの美味しさを提供してくれるお店を紹介します。
料亭赤坂の女将、和田直子さんはご当地グルメ開発を盛り立てる存在です。お店を切り盛りしながら、地域のために日々様々な料理開発に力を注いでいます。
和田さんが心がけているのは、「決して妥協しないこと」「一過性(一回)で終わらないこと」。川南町には漁師町も営農地域もあります。それをつなぐのが自分の料理でありたい、と言います。
2012年4月、川南に新ご当地グルメ「浜うどん」がデビューしました。川南特産のシイラを「専門家が驚くほど」ふんだんに練りこんだ浜うどんは、柔らかい肌色がかった色が特徴の麺です。
練りこんだシイラも出汁となってつゆに旨みがプラスされ、いい香りもたち、麺はほんのりとした甘みを感じます。
うどんを噛むと、優しいシイラの味を感じることが出来ます。ゆっくり味わいたい、そんなうどんです。
また小麦粉は全粒粉を使用しており、通常の真白いうどんに比べて体内での消化吸収が緩やかです。
それゆえ腹持ちがよく、カロリー控えめで、魚のカルシウムもとれる、体にも優しいうどんです。
うどんの製造方法について、オリジナルレシピを開発された和田さんは「常識」ではなく「自分たちの想い」を基準に開発した、と話してくださいました。
元々魚粉の開発自体難しいもので、更に魚粉を練りこむことでうどんのつなぎを弱くしてしまうため、開発には工夫を重ねたそうですが、その苦労を語る顔もキラキラしていたのが印象的です。
結果的に、食品開発のプロに「よくやった」といわれた魚粉の量では満足せず、現在の「浜うどん」が完成しました。うどんは、町内の飲食店8店舗で、和洋中ジャンルを問わずアレンジされたものを頂けます。
海の幸と山の幸が融合した、実に川南らしいうどんです。
赤坂では、浜うどんを浜うどん膳(1,200円)として提供しています。「口蹄疫からの復興を願う肉おにぎり」、小鉢、無添加無香料のオリジナルソフトクリームもセット。おにぎりは通常アルミホイルに包まれたまま提供されていて、いつでも温かいおにぎりが食べられるようにとの心配りが嬉しい。お肉は町内産にこだわっており、肉おにぎりの豚肉ももちろん町内産。その他の料理にも地元の食材をふんだんに使用。川南通浜獲れ魚・たこ・尾鈴産宮崎牛はかわいい手書きのプレートで知らせてくれます。店内は旅館のように落ち着いた佇まいで、座敷には間仕切りもありゆったりとした雰囲気。
地元の食材を可能な限り使用。またいい状態で料理するため、農家さんとも協力。
野菜の成長の経過を教えてもらったり(一番果・二番果などの情報も)、特定の品目を作ってもらうことも。
収穫時期からこだわる。例えば、収穫のタイミングによって、筍の柔らかな食感や、カボチャの砂糖がいらないくらいの甘さを引き出すことに成功。収穫を女将自ら行うこともある。
旬の味や香りがしっかり生きた地産地消ソフトクリームのを開発・提供。
異なる品種をミックスすることで添加物等に頼らない細やかな酸味や色を実現。
- 宮崎県児湯郡川南町大字川南 13613-21
- 0983-27-2403
- (営業時間) 11:00~22:00
- 不定休