松本嗣夫さんが倒れたのは約20年前の朝。当時小学生だった息子・慎一郎さんの、運動会当日のことでした。会社経営者として忙しい毎日を送っていた松本さんは、初めて大きな不安を感じたといいます。
そこから一念発起し、無農薬・無化学肥料栽培の農業を開始しました。「食」は自分の体のためのものであり、自分で選ぶことが出来ます。松本さんが選んだのは、何千年もかけてゆっくり発展してきた「自然と共生する農業」でした。それは、人が命をつなぐための営みです。
松本さんは、特に土作りにこだわり安心安全な農業をされています。「昔のやり方に戻っただけ」とさらっと言い切る松本さんの姿が、余計なものが入っていない「自然と共生する農業」のスタイルと重なりました。
特徴的なのは、鶏小屋の敷わらにした稲わらを畑にすきこむ、という循環型の土作り。松本さんは堆肥そのものをいれることはなるべくしません。堆肥も入れすぎると環境汚染につながり、大事な土や水を汚してしまうだけでなく、土壌のバランスを壊し、次に植える作物にダメージを与えることになるからです。
その代わりに使うのが冒頭の稲わら。元来その土地にいる微生物が働きやすいように、鶏糞によって動き出した微生物がついた稲わらを畑に戻すのです。 夏に小学生と行った生態系調査では、松本さんの田んぼはもちろん、付近の用水路からも、どじょう、めだか、えび、蛙、などたくさんの生き物が見つかったそうです。
松本さんのお米は、種まきから育苗はもちろん、乾燥、精米、適温適湿での保存、更に不良米の選別まで、全て自社で管理をしています。一つタイミングを逃すだけでお米の味は変わってしまいます。常にいい状態を保てるよう、プロのこだわりが随所に光っていました。
松本さんは元々指揮者。『芸術作品といわれるような農産物を育て上げたい』という言葉が違和感なく聞こえたのは、畑に親しんでいる私にとって不思議な体験でした。
お米の品種はミルキークイーンです。炊きあがりは甘い香りで、一粒一粒につやがあり見とれてしまいます。松本さんのお米をよく見ると粒の大きさが規則正しく、いつも私が食べているお米は、粒の大きさが揃っていないということに気付かされました。まずはほかほかのお米を、そのまま食べてみました。
「うん、甘い」 堅すぎず柔らかすぎず、食べ応えのあるご飯。いつもより少量で満足できそう。しかも噛めば噛むほど甘みが増してくる気がする。と思いながらずっとモグモグ・・・。
おにぎりにして、冷めた状態でもいただきました。冷めても甘く、食味もほとんど変わりません。一粒一粒の存在感もそのままです。粒がふっくらした形をしているので、おにぎりにもぴったりだと思いました。おにぎりの具はなくてもいいけど、あるなら梅干がいいなぁ。
10月の「街市」では、息子の松本慎一郎さんが宮崎市sapグループとして出店予定です
*事情により今回は出店を見合わせることとなりました。楽しみにされてた皆様、大変申し訳ありません。今後も出店者情報をチェックして、登場日を楽しみにお待ちください。
- オーガニックレストランSIZEN(平和台公園内)
- 炭火焼鶏ぐんけい 各店
- 炭火串焼 らくい
- 炎の舞 らくい
- ベル・エポック「ランチBOX」
- なちゅらるcafe vis a vis(県庁楠並木通り)
- フーデリー霧島店
- フーデリー青葉店
- フーデリー赤江店