まるみ豚の事務所(加工場)にお邪魔して、まず思い浮かんだのがこの言葉。今年5月に完成したオフィスには、バーカウンターや、レコードを聴くターンテーブル。取材スタッフとの打ち合わせでまず盛り上がったのが、ロゴやポスターのデザインの話題。
愛情をかけ、水やエサにこだわって大切に育てあげた豚だからこそ、多くの人に味わってもらいたい。そしてより多くの人に届けたい。その想いから、2011年豚肉100%の特製ハンバーガーと生肉の移動販売を始めた。宮崎県内のイベント会場をはじめ、今年8月には神奈川県平塚市まで軽トラックで販売に駆けつけた。また今年12月には宮城県を訪れる予定。
2010年の口蹄疫発生時は飼育していた8235頭全頭を殺処分した。その痛みを乗り越えた「新生まるみ豚」は、地元宮崎県内だけでなくインターネットでも購入できる。
毎月第四土曜日に宮崎市の中心市街地で開催される「街市(まちいち)」。ラジオの生放送を終えて、出店の並ぶ一番街へお腹を空かせて繰り出す私の毎回のお目当ては「まるみ豚ハンバーガー」。オーダーは決まって、チーズ入り、マスタード多め。注文を受けてから、まるみ豚100%のパテを焼き始めるため、待ち時間は10分弱。その間、街市の様子を眺めたり、コーヒーを買いに行ったり。
そろそろ焼きあがったかなと、軽自動車を改造した販売車まで足早に戻ると、持ち帰りの紙袋に「thank you! MIWA!!」の手書きメッセージ。いえいえ。美味しいハンバーガーとさりげない心遣い。こちらこそ「いつも、ありがとね。」
「目標は海外でもまるみ豚を食べてもらうこと。目指しているものが遠いのでいつたどり着くかわからない。だからこそ今、やるべきことを着実にやるしかない」。養豚会社協同ファーム販売ディレクターの川上健太さんは、日々の業務の傍らハンバーガーや精肉を自らお客様に販売している。営業中もレジ周りの事務用品の向きを揃えたり、のぼりを見えやすい位置に動かしてみたりと目配りに余念がない。
商品を知ってもらうため、ブランド価値を高めるためには何よりも「デザイン」が大切と熱っぽく語る川上さん。また、ITを活用する企業戦略セミナーで彼を見かけたこともある。
好きなものはファッションと音楽。高鍋高校時代は、大好きな洋服の勉強をしたいと、被服のコースに男子でただ一人進んだ。女子生徒が卒業制作でウェディングドレスを作る中、スーツを仕立てたというエピソードも。服飾の資格も多数持ち、バッグも自作できるおしゃれさん。また、宮崎市内のクラブでファッションと音楽のコラボイベントを立ち上げるなど、「DJ K&K」としての顔も持つ。27歳。