農業の魅力を伝えたい – 福冨農産 福冨博之さん

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福冨 博之(ふくとみ ひろゆき)
綾町出身。宮崎県立本庄高校を卒業後、南九州大学園芸学部農業経済学科へ進学。小学生の頃からゴルフを続け、学生時代は各地を転戦しプロを目指すもトップ選手との差を痛感。ゴルフではなく農業の世界で「プロ」を目指すことを決意。大学卒業と同時に、実家の家業である農業の世界へ。2010年より農業生産法人有限会社福冨農産代表取締役社長。最近一番やってみたい事は、予定の全く入っていないノープランの旅にぶらりと出かけること。31歳。

  • 農業生産法人 有限会社福冨農産
  • 〒880-1302 宮崎県東諸県郡綾町大字北俣1423-2[地図
  • TEL 0985-77-1313
  • FAX 0985-77-1313
  • WEB http://www.aya-fukutomi.com
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農業の魅力を伝えたい – 福冨農産 福冨博之さん
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田園の中のカフェ

取材のため、綾町の田んぼや畑の中、車を走らせていると、運転していたカメラマンが「あっ!」と感嘆の声をあげた。照葉樹林に囲まれた緑の風景の中に建つ、真っ白な建物。2011年4月にオープンしたショップ&カフェ「フクトミファームガーデンアヤ」。 特に、オープンテラス席が気持ちいい。

農地のど真ん中というロケーションを楽しめる場を作りたかったという福冨さん。お店を作ろうと銀行に相談した時には、大きな通りに面した立地をと薦められた。しかし、都会の雑踏にあるカフェとは全く違うもの、この町だからできるカフェを作りたかった。周囲に説明とプレゼンを繰り返し、農地を店舗用地にする煩雑な手続きに奔走し、オープンまでに3年の月日を要した。

将来はこの場に雑貨店や美容サロンを入れたいと夢が膨らむ。綾町の緑の中でゆったりと時間を過ごす人々のリラックスした笑顔が目に浮かぶ。

店内の様子
人気のモンブランやパン 美和さん

安心安全を食卓に

福冨農産は、消費者に安全で安心な農産物を提供することを使命と考え、合鴨農法による米作りを中心に、農薬や化学肥料に全く頼らない有機肥料のみを使用した野菜作りや味噌などの農産加工食品事業を行っている。

法人化したことで異業種企業との連携も生まれ意見交換・交流など積極的に行い、消費者ニーズに合った商品づくり、そして、自社ブランドの確立へとつながっている。海外への視察研修への参加、海外での物産展に参加するなど国内外を問わず営業活動を行い、今後も消費者ニーズにあった商品づくり、多彩な事業展開を目指している。

近年では、米粉を活用したスイーツの製造販売に取り組み、近隣の店舗やインターネットで販売している。また、米粉パンや米粉スイーツとあわせて、収穫状況や季節により、無農薬合鴨農法による米や野菜も取り寄せることができる。

「農業」のプロ 「農業」のプロ

福冨ファーム代表取締役の福冨博之さんの朝は早い。午前3時に出社。午前6時まで自作した米で作る米粉パンを焼いて、2時間ほど仮眠。日中はオフィスワークをこなし。夜は打ち合わせや若手農家の会合など、ハードな毎日。幼少の頃から、キュウリや米を作る両親を弟とともに手伝いながら育った。

農業の魅力をもっと広くアピールすれば、後継者も増えるはず。大学で企業経営を学んだ福冨さんは、実家を継ぐと同時に農園を法人化した。

生産、加工、販売までを自社で行い、2011年には、農林水産省のフードアクションアワードを受賞。そらに、同年、自社の農地が広がる敷地内にカフェショップをオープンさせた。

今後は社長業を弟に譲り、農業を起点とした新たな会社を立ち上げるため奔走中。ビジネスとしての農業の魅力を広く伝えたいと意気込む横顔は「農業のプロ」の表情に見えた。

  • ブログページ―美和の見聞録
  • 取材:横山美和

    宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。 face book:横山美和

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