「日南レモン」を、地域に根差した確かなブランドに-日高勇

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日高 勇(ひだか ゆう)

1977年生まれ。日南市出身。クルーズ船の調理担当として世界中を周り、その後、アメリカ・マイアミ、スペイン・バルセロナで飲食業に携わる。アフリカ、アジアでも仕事の経験を積んだ後に帰郷。現在でも地元日南を起点に、海外を度々訪問している。2018年より「レモンソムリエ」を名乗り、日南レモンの普及に尽力している。

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「日南レモン」を、地域に根差した確かなブランドに-日高勇
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日南で生産されている日南レモン

美和のみやざき出逢い旅。2018年最初の取材です。出逢い旅スタッフは今年も宮崎の食と農を支える素敵な人と美味しい農産物や加工品をどしどし紹介して参ります。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
さて、今回お邪魔したのは、宮崎県の南部にある日南市。そこで生産されている「レモン」が今回の主役です。宮崎の農作物で柑橘類といえば、みかんや日向夏が思い浮かびますがレモンの栽培も盛んです。宮崎県によりますと、2016年の統計で、マイヤーレモンという一つの品種だけでも約105トンが生産されており、日南市のふるさと納税の返礼品にもなっています。

実際に商品として販売されている日南レモンを見て、まず驚いたのが完璧なフォルム。レモン独特の可愛らしい膨らみと、何と言っても目を引くのが表面の輝きです。ピカピカに磨き上げられた皮面は、覗き込めば自分の影が映りそうなほど。減農薬でノーワックスの日南レモンのこのツヤと輝きは一つ一つ丁寧に磨くことで生まれるんだそう。
レモンの取材と聞いて、畑や山の中、または商品の加工場を想像していたのですが、到着したのは農家の離れを改装した可愛いカフェ。廃材を利用して作り、バーカウンターもある「レモンバー」で、日南レモンの販路拡大や商品開発を手がけるレモンソムリエの日高勇さんにお話を伺いました。

世界を見て回りレモン事情を吸収する

日高さんは、1977年宮崎県日南市生まれ。大学を卒業後スキー場などでの仕事を経て、世界中を巡るクルーズ船内で食材管理や調理の担当に。アメリカ・マイアミで寿司作りを習得し、スペイン・バルセロナで居酒屋を手がけるなど飲食業を中心に、アフリカ、アジアでも暮らしました。
現在は、地元日南に拠点を置いていますが今回の取材をした日の翌週はハワイへ行くなど度々海外に出かけます。「色んな刺激というか、無理してでも行くようにしてる。遊びにですけど。」と語る日高さん。

しかし実際は、現地で販売の方法やディスプレイを見て回るなど、世界のレモン事情を吸収するための旅。例えば、スペインの大規模なレモン栽培の様子や、イタリアでは映画を見てヒントを得た世界的なレモン名産地アマルフィを実際に訪ねました。小さな町が、レモン1つで世界中のバイヤーや観光客が集まってくる場所になる。その状況を目の当たりにし、ブランディングの原点を感じたと言います。一過性の流行のものではなく、地域に根ざした確かな定番ブランドにして行く。全国シェア約1パーセントの「日南レモン」が正に今、目指す方向ではないかと語ってくれました。

「レモンソムリエ」として

2018年から自らに「レモンソムリエ」という肩書きを付けた日高さん。
レモンの生産者が持つそれぞれの技術やノウハウをシェアすることを目的に、世界中を回って繋げて行く際に、肩書きがあると通りやすいかなとふと思いついたのだそう。
様々な国を巡ることが好きで、世界60カ国以上を訪れてきた中で培った「問題解決」の力。物やサービスをお金に変えて回す面白さを伝えようと、日南市の中学校や高校でレモンから経済を考える授業も行なっています。

欧米の子どもたちが、手作りレモネードを手売りしてお小遣いを稼ぐように、遊びや楽しみから、コミュニケーションやビジネスを学んで行く。私自身、普段の目まぐるしい日々の中で忘れていた、働くこと、仕事をすることで人と人とが繫るワクワクを思い出させてくれたような日高さんのお話でした。
 日南レモンはそのままの食材としてだけでなく、シロップやジュレに加工されて料理のアクセントや、贈答品としても活躍します。スポーツキャンプや催事などにも積極的に出店中の日南レモンのブース。見かけましたら、是非覗いて見てください。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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