今回お邪魔したのは門川町。国道10号線を南から延岡方面に走らせて見えてくるのがウッドデッキのこじんまりとしたお店。鶏料理専門店英楽です。同じ敷地内にある加工場では若鶏の加工品が製造され、テレビショッピングやインターネット販売等で全国に販売されています。販売しているのは、夢創鶏の加工品。夢創鶏とは「農場から食卓まで」を理念に、鶏の生産から加工・販売まで一貫体制を基本とした宮崎県産のブランド鶏です。
株式会社英楽は平成25年に設立。養鶏農家だった家業を代表の池田英勝さんが引き継ぎ法人化し、年間約25万羽を出荷しています。鶏の旨味を最大限に引き出すためにこだわっているのは製造環境。鶏をケージではなくおがくずを用いた床間で平飼いをし、自然に近い環境で育てています。また、飼料には日向灘で水揚げされた魚のアラを使って、オリジナルの飼料を配合し、それを食べて育った夢創鶏は臭みがなく、歯ごたえ、旨味のある肉質へと仕上がります。
加工場を見学した後に、池田さんが手作りにこだわって建てたという店舗で実際に夢創鶏を試食させて頂きました。東京など催事に出店するときには自ら店頭に立ってお客様といろんな話をするという池田さん。自分たちの育てた鶏を実際に食べてくれるお客様の反応や表情を直接見たい、話をしたいという思いから現在のような生産から加工製造、販売までの一貫体制に辿り着いたそうです。池田さん自らが揚げてくださった唐揚げを一口頂くと、弾力のある歯ごたえ、そして雑味や臭みをまったく感じないふくよかな旨味。さっぱりと頂けるむね唐揚げ、ジューシーな噛みごたえが嬉しいもも唐揚げ、つくね唐揚げと、手が止まらない美味しさです。
自分たちの作った夢創鶏を美味しく食べている様子を見るのが何よりも嬉しいという池田さん。近年では催事での出店と合わせて、ビールメーカーのキャンペーンのタイアップやテレビショッピングへの出品など新たな展開で地元だけでなく全国へ客層を広げています。
養鶏をしながら、加工品を作り、パッケージデザインや商品開発のアイデアを考え、販路も拡大していくという株式会社英楽の事業スタイルは大変に珍しいもの。どのような方にアドバイスをもらっているのか伺ってみたところ、最初はとにかく手探りだったとのこと。お客様だけでなく、さまざまな業種の人たちと情報交換を重ねながら、次の一手を模索し続けている池田さん。
夢創鶏の「夢」とはどのようなものか聞いてみると、宮崎のこの鶏をたくさんの人に食べて欲しいという思いだけでなく、この鶏を作る人、従業員を含め加工、生産、販売に関わるお世話になっている全ての人に、この商品に夢を持ってもらえる様にという思いを込めていると語ってくださいました。
鶏舎やエサの配合、加工品の生産ラインなど、それぞれ工程に細やかな創意工夫を重ねてきた池田さん。ひとつひとつの積み重ねによって、美味しく仕上がった夢創鶏がこれからも沢山の人を笑顔にしてくれることでしょう。