伝統製法を受け継ぎ漬物の魅力を全国に発信 -木村昭彦

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木村昭彦(きむらあきひこ)
1967年生まれ、愛知県田原市出身。
名古屋学院大学卒、キムラ漬物宮崎工業株式会社代表取締役。
愛知県で創業し、山形、東京などで展開する漬物会社キムラ漬物グループ。
沢庵の原料となる干し大根の生産確保のために宮崎県に昭和47年に設立された漬物工場を引き継ぐために宮崎へ一家で移住。新商品開発やインターネットでの沢庵専門店開設など、日本の伝統的な食文化である「漬物」の魅力を積極的に発信。

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  • キムラ漬物宮崎工業株式会社
  • 【住所】
    宮崎県児湯郡新富町大字上富田8935番地
  • 【電話】
    0983-33-1211
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伝統製法を受け継ぎ漬物の魅力を全国に発信 -木村昭彦
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伝統製法を受け継いだ干し沢庵

天候の具合をみながら急遽撮影が決まって訪れたのは、宮崎県新富町。日本の伝統食品のひとつ「たくあんづけ」の工場、キムラ漬物宮崎工業株式会社にお邪魔しました。干し大根の生産量日本一の宮崎県。以前も漬物工場をご紹介しましたが、今回は愛知県がルーツの漬物工場です。そのキムラの漬物について、キムラ漬物宮崎工業株式会社代表取締役の木村昭彦さんにお話を聞きました。昭和47年創業のキムラ漬物宮崎工業株式会社は、愛知県渥美半島の「渥美たくあん」の伝統的製法を受け継ぎ、米ぬかをふんだんに使った天日干し沢庵を作り続けています。

木村さん自身も愛知県生まれで、宮崎工場を引き継ぐために家族で宮崎へ移住してきました。生産農家との連携や、地域活動にも積極的に取り組みながら伝統の味を守り続けていくなかで、新しい取り組みも行っている木村さん。原料となる大根を「かわいい」「これは美人さん」と目を細めながら語るなど、漬物づくりの行程や沢庵の魅力を丁寧に楽しく教えてくださいました。

長期発酵で栄養満点

宮崎の冬の風景の一つ「大根やぐら」での大根干しの様子も見学させて頂きました。大根は畑から抜き取られた後、選別して葉の部分で束ねられ、真っ白に洗い上げられます。トラクターの荷台に積まれた大根からは、そのまま調理しても美味しそうな瑞々しい香りが立ち上っていました。その大根を高さ約6メートルの櫓に一束ずつ掛けていきます。乾きやすい小振りのものは下の方、大きなサイズのものは風の当たりやすい上の方に掛けていく重労働です。干した大根は天候を見ながら、雨の時はシートをかけるなど大切に乾燥作業が行われ約2〜3週間で干し大根の出来上がりです。
工場へ持ち込まれた干し大根を、実際に木村さんに触れさせてもらったところ、丸めたタオルのようなふわっとした弾力が印象的でした。

干し大根はこの柔らかさが特徴で1本の大根を輪にして結ぶことができる程です。その干し大根を創業時からの地下タンクに、国産米ぬか、天日塩、などと漬け込んでいきます。
愛知県の渥美たくあんを発祥とする、キムラ漬物のたくあんは米ぬかをふんだんに使うのが大きな特徴で、短いもので1ヶ月、長いもので3年以上かけて乳酸発酵させていきます。生大根より食物繊維が豊富な干大根を米ぬかに漬け込むことで、ビタミンB1、B2の栄養価も高い「たくあん」。近年注目されている、血圧上昇を抑えたり、肝臓を元気にする機能を持つGABAも多く含まれ、リラックス効果や癒しの効果があると言われています。

日本一美味しいたくあん漬けを目指す

工場での商品作りだけでなく、催事での出店や接客にも精力的に取り組む木村さん。その際のお客様の声が新しいサービスや新商品作りの大きなヒントになると言います。例えば、自宅でのぬか床づくり。催事での接客中にぬか床の手入れの仕方や、材料についてお客様によく質問されることから、インターネットでも購入できる「熟成ぬか床セット」を考案しました。さらに、キャラクターを使った手に取りやすい商品の開発、作業工程をイラスト化するなど、漬物の魅力を伝える工夫を重ね続けています。

「日本一美味しいたくあん漬け」を目指して、昔ながらの製法を守りながらも新しいチャレンジで「和」の発酵食品の魅力を発信する木村さん。商品を試食させて頂いた際も、取材チームと漬物談義で笑顔の花が咲いていました。今日もどこかで漬物の魅力を熱っぽく語っていることでしょう。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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