森山忍さんのプリンの美味しさを私が実感したのは、去年の秋に参加したお菓子作り教室。全国のフェアなどでも人気のイーナプリンを作る森山さん自身が、プリン作りを教えてくださるとのことで、娘を連れて親子で参加した。はしゃぎ回る3歳の娘にハラハラしながらプリン作りに挑戦。レシピをレジュメで教えていただきながら、素人がお教室で作ってみても、美味しい。材料は、牛乳、卵、砂糖。超シンプル。宮崎の食材を用いて、保存料や防腐剤を使わない。それは、こだわりではなく美味しくて安全なものを作るために「あたりまえ」のことと森山さん。完成したプリンを親子で食べると、娘もにっこり笑顔。持ち帰った分を家族や友人にお裾分けすると大変喜ばれ、「美味しかった」とお礼のメールまで頂き心が暖かくなった。
身体にやさしーな、おいしーな、うれしーな、いろんな「イーナ」が詰まっているプリンは手土産や贈答品としても人気が高い。その宮崎初のプリン専門店「プリン工房イーナ」が、カフェ形式の店舗「ena cafe」をオープン。早速取材にお邪魔した。
宮崎市吉村町にあるイーナカフェ。森山忍さん美樹さん夫妻が出迎えてくださった。新築の建物は、建設中から近所の住民の間で何の店ができるのか話題になっていた。オープンデッキもある明るい店内で、プリンやホットケーキをイートインできる。知人の自家焙煎珈琲店と提携したオリジナルブレンドコーヒーとスイーツとの相性も抜群だ。朝8時より開店していることもあり、朝食に添えるスイーツを買いに近隣の住民も買いに来る事が多いとのこと。
自宅用や贈答用の持ち帰りももちろんできるが、イーナカフェでイートインすると、プリンをフルーツやアイスでデコレーションしてくれる。デコレーションの盛りつけは、お客様の雰囲気や好みにあわせて考えているとのこと。私をイメージした、デコレーションプリンは色鮮やかなトロピカルなひと皿。オープンデッキで宮崎の初夏の風を感じながら、見た目も愉しくて美味しいプリンをいただいた。
様々な職種を経験し、自動車関係の会社を立ち上げ順調に業績を伸ばして来たものの、飲食で自分の店を持つことを諦めきれず、一からプリン作りを始めた森山さん。はじめは書店でスイーツのレシピ本を書い見よう見まねからスタートし、宮崎初のプリン専門店をオープンした。多い時は、車での移動販売や、全国各地でのフェア出店、お取り寄せ販売などのステップを経て、今年4月24日にイーナカフェをプレオープン。5月末に本格オープンした。
お話を聞いたのは、プレオープン直後。実際に自分のお店を開いてみての実感を聞いたところ、まだまだできていないところ、やりたいことが見えてきたとのこと。例えば、夏に向けてのソフトクリームの販売。そして、お店のスタイルの課題としてスイーツに特化したカフェにするのか、ランチタイムにはフードメニューのバリエーションを増やしていくのか、など。
こだわりのないのがこだわりという森山さん。一口食べれば笑顔になれるプリンを中心に、今後もお客様の流れやニーズをしなやかに受け止め、いろんな「いーな」が満載のカフェを展開することを期待したい。