行政特集

目指せ、3連覇!宮崎牛の底力について聞く

宮崎県農政水産部、課長坊薗正恒

お仕事の内容を教えて下さい。
坊薗さん(以下A), 現在、当課には23名職員がおり、主に牛・豚・鶏などの生産から流通までの畜産振興に取り組んでいます。その中でも平成22年に発生した口蹄疫から3年が経った昨年3月、「忘れない そして前へ」を合言葉に生産性の向上や、販売力の強化等を課題にした「畜産新生プラン」を策定し、日々目標に向かい推進を図っています。
実は養蜂用のミツバチも家畜として本課の担当なんです。
宮崎の畜産の現状について教えて下さい。
飼育頭羽数で見ると、肉用牛が全国3位で、和牛では2位、豚も2位、ブロイラーは1位となっていて、本県は全国でも有数の畜産県なんです!その中でも「宮崎牛」は代表格と言えるのではないでしょうか。「宮崎牛」とは、本県で肥育される黒毛和牛で尚且つ肉質等級4等級(※1)以上と定義しており、人気が高い黒毛和牛の中でも上質なものとして位置付けています。
本県では昨年からフードビジネスの推進を施策の大きな柱としており、「宮崎牛」はその看板の一つ。「宮崎牛」をさらに大きく飛躍させようと、国内外へのPRを強化しているところです。特に海外輸出に関して言えば、現在アメリカ、香港、マカオ、シンガポール、タイなどに輸出しており、嬉しい事に反応も上々です!
※1 日本食肉格付協会が定める5段階の格付基準。5等級が最高。
全国和牛能力共進会2連覇達成!3連覇に向けて、意気込みを教えて下さい。
ご存知の方も多いかもしれませんが、〝全国和牛能力共進会〟で、「宮崎牛」は平成19年に続き平成24年にも日本一に輝き、大会初の2連覇を達成しました!5年に一度、全国持ち回りで開催される、大規模な大会です。
特に前回は口蹄疫後という、とても厳しい状況でした。そんな中、2連覇を達成できた事は生産者や、地域における関係者の皆様の並々ならぬ努力の賜物ですし、「宮崎牛」の素晴らしさをより一層全国に認めていただけたのではないかと思っています。
次回は平成29年、宮城県で開催されます。東日本大震災の復興イベントとして、また首都圏から近い場所での開催という事もあり、非常に注目される大会になるのではないでしょうか。本県は口蹄疫で多くの優秀な種雄牛を失っており、前回よりもさらに厳しい大会になると認識しています。県では対策事業を予算化し、生産者の皆様が取り組みやすい環境づくりに努め、生産者、畜産関係団体、行政機関の連携を密に「チーム宮崎」の結束力で3連覇を目指したいと考えています。
今後の展開・展望についてお聞かせください。

「宮崎牛」はステーキや焼き肉だけでなく、すき焼きにしても、すごく美味しいので、飲食店やホテル、一般家庭でも、ぜひもっと定着させていきたいです。部位ではロースやヒレと言った高級部位以外の、もも肉なども消費拡大させていきたいですね!いろんな料理方法にもチャレンジして、美味しい食べ方を検討し、消費者に発信していきたいです。
また昨年から本格的に始めている東京への生体出荷・現地でのと畜により、関東のバイヤーや業者さんに直接その目で確かめてもらう事ができ、そこで評価される事で効率のよいPRとなるのではと期待しています。
宮崎牛の魅力は何と言ってもその上質な肉質ですが、何より素晴らしいのは、それを支える生産者の技術です。
餌や環境に配慮しているのはもちろん、牛の将来を的確に見定める観察眼を持ち、外からは決して見る事のできない肉の状態を最適に整える技術はまさに匠の技。しかし一方で高齢化が進み、技術の継承が難しくなりつつあるのも課題の一つ。私たちは、彼らの技術と誇り、たゆまぬ努力に敬意を表し、これからも安心して経営ができるよう「宮崎牛」のさらなるブランド化、消費拡大対策などを行い、サポートしていきたい!そう思っています。

PAGE TOP